店主のツイートで振り返る3.11からのオトノハの日々

『オトノハ』創刊号

創刊号でドーンと特集するのは『店主のツイートで振り返る3.11からのオトノハの日々』。

地震発生当時、まさにアサガヤデンショは「オトノハ」創刊準備号の編集作業中でありました。
被災地ではない東京に暮らしているとはいえ、それ以前とそれ以降の生活は、見え方も、聞こえ方も、感じ方も、何もかもがガラリと変わってしまった様に思えました。いや、自分自身が変わってしまった、という方が正しいかもしれません。
その足場の不安定さというのは、今までに感じた事のないもので、正直アサデン編集作業どころか、本業すら手に付かず、毎日ただ呆然とtwitter画面に溢れる真偽の入り交じった情報に振り回されては、正気に返って、また振り回されて、を繰り返す日々。

そんな時、目に止まったのがオトノハ店主のつぶやきでした。
「...この人、こんな中でも毎日鍋を振っている」
驚いて、すかさず遡って読み込んだ店主のつぶやきには、お客さんや、オトノハスタッフ、家族とのやりとり、募金活動、それ以前も以降も変わる事なく淡々と店を切り盛りする姿がありました。

ご存知の様に、この震災で飲食業界はとても苦しい立場に立たされ、やむなく休業したり、早々と閉店を決断したお店も少なくありませんでした。私の感じていた「足場の不安定さ」など比較にもならないないであろう日々を、1日1日生きているオトノハ。でもそれはオトノハにとっては、開店以来ずっと続けてきた事で、何か特別という訳ではないんだという事が、実は私にとって一番の驚きでした。

オトノハ、凄い。もっと言えば飲食店、凄い。この日々の記録を残しておきたい。
と、半ば勢いで編集長に次号打診のメール送信。まだ目の前にはやらねばならない編集作業が山積していたというのに。

そんな勢いで出来上がった特集ぺージですが、ご自身の3.11以降の日々を思い出しながら、じっくり読んで頂けたら嬉しいです。(アサガヤデンショ S)