『給水塔と赤い屋根〜阿佐ヶ谷住宅のおはなし〜』 はこんな本になります

こんにちは。
電書『給水塔と赤い屋根〜阿佐ヶ谷住宅のおはなし〜』(無料・EPUB版)、現在メンバー全員一丸となって作業中であります。ミーティングを重ねながら、これまでに集まった沢山の資料をまとめ作業を進めていく中で、新しいアイディアが生まれたり、あれもやりたいこれもやりたいとどんどん欲が出てきてしまいました。
...そんな訳で当初予定していた4月中発行が1ヶ月先に延びる事になりました。楽しみにして下さっている皆さん、本当にごめんなさい。私たちにとっても、そして何より阿佐ヶ谷住宅を愛してこられた方々にとっても大事な1冊を作りたい。その過程のひとつひとつを大切にしながら、焦らずじっくりと皆で作り上げていきたいと思っているのです。どうかもうしばらくお待ち頂けたら嬉しいです。

そのお詫びといってはなんですが、予告編PVが完成しました。
実際に阿佐ヶ谷住宅に訪れた事がある方もそうでない方も、ぜひ耳を澄ませてあの場所に流れる空気を感じとってみてください。


さて、予告編と共に肝心の本書のコンテンツをご紹介します。

1.はじめに

青梅街道からの坂を下って、阿佐ヶ谷住宅にたどり着くとゆったりとしたカーブの道から見える給水塔と赤い屋根。緑豊かな善福寺川緑地から伸びやかに続く植物に覆われた阿佐ヶ谷住宅は、いつでも私たちを優しく迎えてくれるような気がしました。(本文より)

2.阿佐ヶ谷住宅とは

もともと阿佐ヶ谷住宅の敷地は、善福寺川沿いの成宗田圃と呼ばれる田園風景が残る一帯でした。風土派の津端氏、造園の田畑氏が巧みに地形を読み取り、周りの風景に馴染むよう全体計画がなされました。(本文より)

3.風景/春

 毎年桜の季節が近づくと「今年もどうやら見られそうで良かったですね」が皆の合い言葉でした。もちろん桜だけではなく、色んな植物が一斉に芽吹く春の阿佐ヶ谷住宅は1年のうちでも特別な季節です。

4.緑の記録

 阿佐ヶ谷住宅の魅力を語る時に欠かせないのは、長い年月をかけて自由に伸び伸びと成長を遂げた植物たち。変わっていく風景を記録に残したい、植物たちをどこか別の場所に移植出来ないだろうか。そんな気持ちから始まった阿佐ヶ谷住宅の緑の記録。

5.緑はつづく(仮)

 いろんな人の手で、いろんな場所に巣立っていった阿佐ヶ谷住宅の緑とその後のリポート。

6.風景/夏

花も葉も光も全てが色濃くなる季節。写真から漂ってきそうな「草いきれ」を感じて下さい。

7.暮らし

 住人だった方々の日々を写真と言葉で綴ります。
 テラスハウスの中の風景。そしてそこから見えた外の風景。

8.風景/秋

 穏やかになった日射しが作る長い影と高い空。のんびり散歩しながら仰ぎ見る赤、黄、橙色。

9.俺たちの阿佐ヶ谷住宅(仮)

 阿佐ヶ谷住宅で長い年月を過ごされたKさんと、アサデンメンバーで住人でもあった木村、発行人小嶋の3人による都内某所で催された男だらけの阿佐ヶ谷住宅鼎談。お酒を交え、よってたかって「俺たちにとっての阿佐ヶ谷住宅とは何だったのか」を語り尽くします。

10.いきものたち

 阿佐ヶ谷住宅に暮らしていたのは人間ばかりではありません。
様々ないきものたちもまた、阿佐ヶ谷住宅を作り上げた立役者でした。ひょっとしたら人間よりも阿佐ヶ谷住宅を知り尽くし愛してきた彼らのおはなし。

11.風景/冬

 多くの植物たちが次の出番に備えて寡黙になるこの季節。けれど空の青は他のどの季節よりも澄んでいて、たてもの、遊具、木々の輪郭を美しく浮かび上がらせるのです。

12.前略、阿佐ヶ谷住宅

 住人だった方々、縁のある方々が思い思いにしたためる阿佐ヶ谷住宅へ贈るお手紙。

12.おわりに


13.奥付

 以上が、あくまで現在予定しているコンテンツです。
「あくまで」というのは、これから増えていく可能性があるということです。例えば今回沢山の方々に寄稿をお願いしているのですが、その全てが発行日までに揃わないかもしれません。けれどページ数や印刷行程の制約のない「電子書籍」という性質上、そこで原稿を「落とす」ということはしません。後でその都度増やしていきます。書いてくださる方々にも沢山の想いがあるはずで、何かに急かされる事なくじっくりと筆を進めて頂きたいのです。もちろん内容に変更が出る際はその都度お知らせします。どうぞご了承ください。

電子書籍とは、しいていうなら「だだっ広い原っぱ」の様なものだと思います。1人だろうと沢山の友達を連れて来ようと、好きな遊具で遊んだり、追いかけっこしたり、木に登ったり、花を愛でたり、寝転がってただ空を見上げたり、幾通りもの過ごし方があり、またそれを受け入れてくれる場所。まるでこれまで多くの人達を受け入れてきた阿佐ヶ谷住宅の中央広場の様です。
今まで電子書籍に馴染みがなかったという方も、そんな気持ちで5月を楽しみにして頂けたらなあと思います。